映画『鬼滅の刃 無限列車編』の上映回数が多すぎると話題になってますね。
都心部の映画館では1日25回前後、地方でも15回前後は上映されるところが多いです。TOHOシネマズ新宿では1日42回上映される日があるとか。
私は映画館で勤務していたので断言できますが、こんなスケジュールは普通ありえません。2019年に大ヒットした映画『天気の子』でさえ1日最大23回だったと言われてますからね。
では、なぜこんなにも上映回数が多いのか。需要があるからという意見は当然ですが、それ以外にも理由があると思い、考察してみました。
実は1日42回が歴代最多ではないということも併せて紹介していきたいと思います。
映画『鬼滅の刃 無限列車編』の上映回数が多い理由はなぜか
公開初週の映画は1日4〜6回ほど上映されるのが普通です。
これに対し『鬼滅の刃』は地方の映画館でも1日15回前後は上映。これは極めて異例です。
なぜこんなにも上映されるのか。私は4つの理由があるのではないかと考察しています。
【理由その1】需要があるから
まず単純な理由として、需要があるからです。
新刊が発売されるたびに話題になったり、コミックスの累計発行部数が1億部を突破するなど、その人気ぶりはもはや社会現象ですよね。
今回の上映回数が多すぎる・映画館のサイトに繋がらないことが話題になったことからも、通常の映画とは比較にならないほどの需要があると分かります。
【理由その2】競合作品が少ないから
10月16日に上映している映画には、興行が強い作品はそれほどありません。
13日時点では『TENET テネット』『浅田家!』がトップ争いをしていますが、『テネット』は公開から3週間が過ぎていますし、『浅田家!』は初週こそ良かったものの、今後伸びる可能性は低いと考えられる作品です。
両作品の上映回数を維持するくらいなら、『鬼滅の刃』の回数を増やした方がメリットあるのは明らかと言えるでしょう。
【理由その3】密を避けるため
9月19日からイベント開催制限の緩和が認められ、全席販売の再開が可能になりました。
これまでは映画館によって対応が異なっていたところ、『鬼滅の刃』公開に合わせて全席販売を再開する劇場が増えました。
ただ再開するだけでは密になりやすいので、上映回数を増やすことで緩和させる狙いがあるのではないかと思います。
動員を獲得したい配給と、感染リスクを抑えたい映画館の利害も一致しますからね。
【理由その4】飲食物の販売制限があるから
分科会資料の中の「感染防止のためのチェックリスト」を見ると、「飲食の制限」という項目が設けられている。
—中略—
「厚労省に確認したところ、座席を100%使用する場合、飲食は認められないとのことだった」
—中略—
つまり、映画館は今「座席を100%販売し、飲食の販売を取りやめる」「座席を50%に抑え、飲食の販売を継続する」の2択が迫られていることになる。
全席販売は認められましたが、その代わりドリンク以外の飲食物販売は制限されています。
映画館の生命線とも言える売店収入が制限されるのはかなり厳しいはずです。
それでも全席販売を再開した理由は、上映回数を増やして動員を確保することで、売店収入をカバーできる算段があるからではないかと思います。
なお、全席販売の対応は映画館によって異なるため、各劇場HPをご確認ください。
1日42回よりも多く上映していた映画があった
1日最大42回の上映はインパクトありますよね。通常ではありえない回数ですから。
しかし、さらに多くの上映回数を誇った映画があることをご存知でしょうか?
TOHOシネマズ新宿、19日(土)「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は、8スクリーン52回上映。“3D・字幕版・DOLBY-ATMOS”、“3D・字幕版・IMAX”、“3D・字幕版・MX4D”、“3D・字幕版”、“2D・字幕版”。 pic.twitter.com/YUCbv0Ruo3
— Shinichi Ando (@andys_room) December 16, 2015
2015年に公開された映画『スター・ウォーズ フォースの覚醒』。
TOHOシネマズ新宿ではなんと1日52回上映されました。
『フォースの覚醒』はシリーズ10年ぶりの新作ということで注目されましたが、これだけ回数が多くなった理由は”上映形態の豊富さ”にあります。
- 3D字幕版
- DOLBY-ATOMS
- IMAX
- MX4D
- 通常
- 2D字幕版
近年、上映形態の多様化によって一作品の上映回数は増えている傾向にあります。
上記以外にも応援上映、サラウンド上映、マサラ上映など、挙げればキリがありません。
ちなみに『鬼滅の刃』は”通常上映”と”IMAX”の2種類のみ。これだけで最大42回も確保してしまうことがどれだけ異例なのかはお分かりいただけると思います。
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